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筑紫哲也が東京都知事選出馬を検討…STOP石原へ民主が打診

その昔、」1991年4月、現職の鈴木俊一氏(80歳)が自民・民社・公明が推した元NHK特別主幹の磯村尚徳氏らを大差で破って見事4選を果した故事を思い出す。
当時自民党幹事長だった小沢一郎は、空気の読めない、選挙に弱い政治家だというのを確信した選挙だったな。

1995年の都知事選挙は自民、社会、公明、新党さきがけ相乗り推薦の元内閣官房副長官・石原信雄が、青島幸夫に敗れた。

今回の宮崎県知事選と次の東京都知事選候補者選びは、なんだかデジャブな感じ。


1999年は舛添要一・鳩山邦夫・明石康・柿沢弘治・三上満・石原慎太郎らで争われた。
当時、このメンバーで内閣作った方がおもしろい、というジョークがあったな。

総理大臣 石原慎太郎、大蔵大臣 柿沢弘治、外務大臣 明石康、厚生大臣 舛添要一、環境庁長官 鳩山邦夫、文部大臣 三上満、科学技術庁長官 ドクター中松
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東氏も、もう老眼鏡を掛ける年頃かぁ。

そのまんま東氏の公約で、テレビ局を増やすというのが効いたらしいが、確かに魅力的だったのかも。
wikipediaの宮崎県の項目に「テレビ」と特記されててワラタ

http://ja.wikipedia.org/wiki/宮崎県#.E3.83.86.E3.83.AC.E3.83.93
ケーブルテレビを加入しても九州他県のフジテレビ系列の再送信を行っていないため、視聴することが出来ないフジテレビ系列の全国ネット番組が多く存在する。


実際には、ケーブルテレビの番組を増やす程度しか出来ないかもしれないけれど。

みんなテレビが大好き。
これほどくだらなくて、捏造ばかりでも、皆でツッコミを入れるためにも、是非とも見たいんだろうな。


東氏と持永氏の地盤がかぶってるらしい。 というか、談合事件発覚前に次回知事選で持永氏潰しの「当て馬」として声を掛けられていたっぽい…
…知事選の後の国政選挙が本番だろう…
…などと、いろいろな噂もあるみたい。 人生いろいろ、怪文書もいろいろ。

それはさておき、結構前から選挙に出るための準備はしていたのだろうし、声も掛けられていたのだろう。 そして、そのための早稲田だったのだろう。 (これは非難ではなくて、それなりに好感を持って書いてるつもり)

片山虎さんが言ってた宮崎県の特殊事情ってのも凄いな。
近年でも(新)宮崎市長選での抗争や、郵政選挙造反組が当選しその復党問題が有り、知事選でも分裂。 保守同士のお家騒動がお国柄のようだ。

それにしても、自民・公明公認の持永氏惨敗はすごい。
組織の締め付けがないと、こういう事になるいう、ということだろうか。
持永氏が、あまりにも魅力が乏しいというのは分かるが、それにしてもすごい惨敗だった。

川村氏が当選、東氏が善戦して次点、持永氏が3位というならば、「まぁ、収まるところに収まったな」とか、そんな適当な感想を書いて済ませるところだけれど…
東氏があまりにも圧勝したことには、やはり驚いた。

ここ最近のリアルでの「祭り」である郵政選挙とか納豆・ペコちゃん・ホリエモンとかの世論の動きに、つまりマスコミの煽りと手のひら替えしにたやすく乗る「庶民」という存在が有るように思えて、ちょっとイヤな感じではある。
その延長線上に、この圧勝があると思えるから。
やはり、それなりに驚く。

フィリピンの大統領選挙みたいだという印象もあるけれど…。
かつてのタレント候補のようなカリスマがない、脛に傷どころではない経歴、オーラのない部分が、逆に今時は支持を集めるのだろうか。
談合事件に比べれば、罪は軽いという感じかな。
千葉で元副知事が落選、元キャバクラ嬢が当選したのを思い出す。

某所の書き込み

234 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21:48:35 ID:???
選挙活動はパフォーマンス全くなし(芸能人の応援演説を受けない等)、
私財を選挙費用に投入している清新さ、元官僚・公務員主導政治への
拒否反応が今回全て追い風になったんだろうと思う。

いずれにせよ、保守王国である宮崎がこれまで生み出したことのない
タイプの政治家が誕生したわけで、期待したい。



そのほか、青島幸夫の死去で、過去の「武勇伝」が報道されたこと
田中康夫の長野県政が、最近の知事不祥事に比較され、マスコミで評価されたことも、けっこう影響はあったのだろう。

青島幸夫、横山ノック、田中康夫…、橋本大二郎なんかと同じ系列なんだろうな。



東氏当選 タレント候補脱却の陰に20代ブレーン集団
http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070121/skk070121005.htm
某所のカキコ

101 名前:名無しさん@七周年[] 投稿日:2007/01/22(月) 00:04:05 ID:lMQ6HpMA0
>“チームそのまんま”

どっちかって言うと“チーム落下傘”だな
東を中心とした「東京の」政治家志望者が宮崎という実験場で思いついた政策をやる
宮崎という土地に愛着があるわけもないからバッサリとした政策をやるでしょ
宮崎を東京からの落下傘部隊に占領されたって所か・・・
まあ相手が分裂してるんじゃしょうがないかw

実務経験ゼロの机上の政策で振り回される宮崎県民・・・
しょうがないな。自分たちで選んだんだから
実務経験ゼロの“チームそのまんま”の政策がバシバシ有効である事を願うよ・・・('A`)


「チーム早稲田閥」という印象も有るかな。
マニフェストも読んでみたが… 普通に物足りないけれど、普通のマニフェストという印象。
他候補があまりに嫌われていたのだろうな。
落選した二人の敗戦の弁を見たが、敗因を分析できていない、たとえ分析していても語れないあたりで、東氏勝利も頷けるかな。 (なぜ保守分裂選挙になったか等)




JANJAN記者の分析が当たっていたみたいだ。

おかしな自民の候補者選び―出直し宮崎県知事選―
http://www.janjan.jp/column/0612/0612190746/1.php

 県民注視の中、自民党のこのおかしな候補者選びに対し、当然異議申し立てすべき候補者が出て然るべきだが、「相乗りはしない」という民主党が一向に覇気がない。宮崎県は保守王国。衆参国会議員5人(自民4、無所属1)。県会議員は42名のうち、32が自民、社民4、民主3、公明3となっている。

 唯一期待されているのが、前回の参院選挙で、自民の上杉光弘元自治相(64)を破った松下新平参院議員(40・無所属、民主党・新緑風会)である。彼はホームページに次のように書いているが、告示まで日数もなく、出馬の可能性は低いとみられる。

 「私はまず政治の責任において、出直し知事選挙において、県民の皆様にしっかりと選択肢をお示しすることであり、そのことに取り組んでいます」(12/7 新平コラム)。

 せっかくの出直し選挙が、このままでは有権者の選択肢も限られ、「県政はそのまんま」となりはしないか。



自民の候補者選びもおかしいが、民主党モナー
民主党が独自候補を立てていれば勝てたんじゃないのか?

「鳥」で泣きっ面に蜂〜出直し宮崎知事選
http://www.janjan.jp/column/0701/0701140030/1.php

 さはさりながら、今次選挙のキーワードは「しがらみ」。各候補の主張は、官製談合事件を念頭に、いかに自分が特定の個人や団体との「しがらみ」が薄いかを競っている。「しがらみ」のない人はいないが、問題はその中身。選挙が「しがらみ」の程度できまるのなら、最も有利な候補は、元タレント候補ということになろう。



鈴木康之記者の予想が的中しちゃったんだな。



前回の参院選挙で、自民の上杉光弘元自治相(64)を破った松下新平参院議員(40・無所属、民主党・新緑風会)のblogより

http://www.shinnpei.com/cgi-bin/dia_memo/dia_memo.cgi
[ 宮崎県知事選挙 序盤 ]

 新年行事に参加していますと、恐る恐る出直し知事選挙の話題になります。
 そこまでは、従来と同じですが、今回の選挙は、ここからが違います。

 A氏:今回の知事選挙は誰を応援してるの?
 B氏:う〜ん、知事選ね〜。(沈黙)ところで、あなたは誰を応援しているの?
 A氏:う〜ん、(沈黙)あなたから先に言って!
 B氏:う〜ん、今回は、誰からも頼まれていないし、会社からの指示も降りてきていないし・・・。
 A氏:そう言えば、ある大手の建設会社の新年挨拶会で、社長から知事選挙については、「皆さん自身がしっかり考えて、皆さんの判断で投票してください。」と言っていたとか。
 B氏:ほう!変わるもんだね。でも確かに、指示をしたら指示した人が落ちるのが、今回の選挙だしね。
 A氏:ところで、誰に入れる?
 B氏:う〜ん、これから、政策を聞いて判断しよっと。
 A氏:そうやね。

(略)
2007 / 01 / 07 (SUN)


出馬してたら、おそらく勝てていたような気がするが…
新庄が好きみたいだけれども、新庄がメジャー挑戦したような決断が民主党には無かった。
空気を読めない政党と、空気読んだタレントの差がでたのかな。

[ そのまんま東 氏 当選 ]↑

 宮崎県民の選択を厳粛に受け止めております。
 選挙戦、投票結果の分析が必要です。

 私は、国政の立場から、新知事、新体制をサポートして参ります。

 改めて、コメントを発表します。

2007 / 01 / 22 (MON)


とりあえずは、民主党は支持せざるを得ないという感じなのかな?
各政党の東争奪戦が始まるのか?

田中康夫はそのまんま東が嫌いらしい。
http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/archives/51387786.htmlのコメント欄より。

横浜市長あたりは、東を好きそうな雰囲気を感じるけれど、どうかな?

新知事は、マスコミ対策を早稲田閥で対応するのだろうかなぁ?



負けた方のマニフェストを見てみた。

http://www.mochinaga.net/
もちなが哲志マニフェスト
(数値・ 期間目標版)
・ 早急に民間人の参加による政策評価システムを導入。
クリーンな宮崎県を実現し、 メリハリの効いた財政運営を行うため、 政策評価
システムに学識経験者などの民間人を登用。
・ 4年間で150社の企業を誘致。
知事自らトップセールスを行い、 日本の第一線で活躍している経営者や中央官
庁・ 政府の人脈をフルに活用し、 企業を誘致。
・ 4年間で1000世帯を誘致。
宮崎の最大の競争力の一つである暮らしやすさを武器に、 企業誘致と併行して、
大都市圏の団塊の世代の大量退職者を中心に働きかけ、 住居を誘致。
・ 4年間で県民所得1 0%増加を目標とした経済運営を展開。
宮崎の宝である農林水産物品等を、 県外やアジア市場に売り込むと共に、 観光
振興を行うなどにより、 県内企業の収益を向上させ、 さらに、 製造業等の企業
を誘致・ 住居の誘致により、 県内経済を活性化させ、 県民所得水準を引き上げ。
・ 6年間で出生率の10%増加を目標に少子化対策を推進。
男女共同参画社会を定着させ、 女性が働きながら安心して子育てが出来る環境の
整備を推進。


これで全文。 写真と合わせてで2MBだとはなぁ。 しかも東のマニフェストが出てからあわて作った感じが丸出し。
 ついでにblogも見に行くが、官僚の日報かよ…
http://blogs.yahoo.co.jp/mochinaga1960

川村秀三郎は、官僚時代のノーパンしゃぶしゃぶ疑惑が蒸し返される。
TV局が少ない県だと、ネット依存者の比率は高そうなので、けっこう影響はあったろうな。
自身の離婚もネタに出来る東には、かなわないだろう。

愚直で正攻法の草の根選挙運動をやった東が勝つ余地は、充分にあったということか。
はてなキーワード


http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A3?%A6%A3?%A6%A5?%A5%F3
R.D.Laing ロナルド・デヴィッド・レイン イギリスの精神科医。反精神医学運動の中心的人物。
1927-1989年。

1927年イギリスのグラスゴーに生まれる。1951年グラスゴー大学医学部卒業。3年間陸軍軍医となった後、グラスゴー王立精神病院、グラスゴー大学精神科、ロンドンのタヴィストック・クリニックに勤務・以後タヴィストック人間関係研究所に入り、ランガム・クリニック所長を兼務。1965年反収容主義を掲げてキングスレー・ホールを開き、独自の医療実践を展開。著書『ひき裂かれた自己』(1960)『自己と他者』(1961)『狂気と家族』(1964)『経験の政治学』(1967)『家族の政治学』(1969)『結ぼれ』(1970)『好き?好き?大好き?』(1976)『生の事実』(1976)(以上邦訳みすず書房)『レインわが半生』(1985、邦訳岩波書店など)。

R・D・レインは、1970年に出版した詩集『結ぼれ』によって、まったく新しいジャンルを創造したのである。それは詩とも、劇とも、対話とも読むことのできる新しい「シナリオダイアローグ」とも言えよう。『結ぼれ』は本として成功したばかりでなく、演劇の台本になり、また映画にもなった。




心理学の歴史
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/mountain-field/Feeling-Place/history.htm
書評:『ひき裂かれた自己』 
http://www.logico-philosophicus.net/gpmap/books/LaingRD001.htm
Ronald David Laing
http://en.wikipedia.org/wiki/R._D._Laing

精神分裂症は器質的障害、という見解でも有ったらしい。
ダブル・バインド理論とは非常に親近性があるらしい。


どこからコピペしたか忘れた…

わたしはなくしてしまった

なくしたって なにを?

どこかで見かけましたか?

見かけたって なにを?

わたしの顔を

いいえ
(R.D.レイン『好き? 好き? 大好き?』村上光彦訳 みすず書房)


人間は、自分が縁を切りたいと思ってもそうできない他者の補完物としてのアイデンティティを負わされているのに気づくとき、罪責感よりはむしろ、羞恥心をひき起こすように思われる。
(R.D.レイン(志貴春彦ほか訳)『自己と他者』みすず書房、1975年、101頁)


精神分析医のR.D.レインは『自己と他者』(志貴春彦・笠原嘉訳 みすず書房)のなかで、アイデンティティとは「自分が何者であるかを、自分に語って聞かせる説話(ストーリー)である」とした。
自分はこのような人間だ、という直接的な形をとるばかりでなく、〜が好きだ、〜と思う、と、普段「わたしは」という主語をつけずに考えるようなことがらであっても、〜が好きだ、〜と思う、と考えながら、実は自分自身のアイデンティティを確認しているのだ。ものごとについても、自分がやったことが、かくかくしかじかのことを引き起こした、という、自分を中心とした因果関係の物語として、理解し、把握している。


女性は、子供がなくては母親になれない。彼女は、自分に母親としてのアイデンティティを与えるためには、子供を必要とする。愛人のいない恋人は、自称恋人にすぎない。見方によって、悲劇でもあり喜劇でもある。〈アイデンティティ〉にはすべて、他者が必要である。誰か他者との関係において、また、関係を通して、自己というアイデンティティは現実化されるのである。


精神分析の研究者であるロナルド・デビッド・レインによると「自己のアイデンティティとは、自分が何者であるかを、自分に語って聞かせる説話[ストーリー]である。」
つまり自分を納得させる一種の物語だというのである。しかし、これには他者の承認が必要だ。つまり、アイデンティティを維持するためには、自分の主張するアイデンティティをたえず承認し肯定してくれる他者がいなければならない。レインのことばを借りると「〈アイデンティティ〉にはすべて、他者が必要である。誰か他者との関係において、また関係を通して、自己というアイデンティティは現実化されるのである。」



影響を受けたと思われる小説、コミックなど

エヴァンゲリオン第弐拾伍話のタイトルが『終わる世界』であり、その英題は『Do you love me?』であるのだけど、それはレインの著書『好き?好き?大好き?』の原題でもある。

好き好き大好き超愛してる。 好き好き大好き超愛してる。
舞城 王太郎 (2006/08/08)
講談社

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好き好き 大嫌い 好き好き 大嫌い
岡崎 京子 (1989/07)
宝島社

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バナナブレッドのプディング (1980年) バナナブレッドのプディング (1980年)
大島 弓子 (1980/12)
小学館

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メデュウサ メデュウサ
山岸 凉子 (1991/08)
朝日ソノラマ

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伝染(うつ)るんです。 (1) 伝染(うつ)るんです。 (1)
吉田 戦車 (1998/11)
小学館

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田口ランディのコラムマガジン★★2000.11.24
http://www.melma.com/backnumber_1926_1366212/
 20代の前半に私がどえらく影響を受けた本が三冊ある。『気流の鳴る
音』(真木悠介)『引き裂かれた自己』(レイン)、そして藤原新也さ
んの『印度放浪』である。





影響を受けたものは、もっとたくさん有るだろうな。 
諸星大二郎の栞と紙魚子シリーズ中にも、「顔」を落とす話が有った。
ネットの書評をあれこれ読むと、いろいろ思い当たるのがいっぱい。

大塚英志の一連の少女漫画における「内面」という言葉も、どこかレイン経由のように思えるなぁ。
岡田有希子を論じたものは、「身体化されない内的自己」と「身体化されたにせ自己」の分裂という論旨だったような記憶が…

乳の海 / 藤原 新也の透に関する記述も、かなりレインの影響が強いのではないだろうか?

ちなみに、私はまだレインを1冊も読んでいない。
ニューアカ・サブカルに若干は嵌っていて、そこには精神分析的な言説がやたらと有ったのに、レインは読んでいない。 精神分析や心理学は、あんまり好きではない分野だから、その他のものだってろくに読んではいないのだけれども。
「誠実な学者」としての、分かりやすく整理された研究

映画・マンガの評論家としてではなくて、「さまよえる流れ者学者」として「かわいい」を研究した新書です。
本書は、1994年イタリアの田舎町やコソヴォでセーラームーンが流行っているのを見たことから書き起こされている。
下のプロフィールに有るように、日本の「かわいい」ものが、かなり以前から海外で妙に広まっていることを現地で見て、注目していた人です。

http://www.meijigakuin.ac.jp/~art/prof/yomota/index.html
 東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学比較文化を学ぶ。その後、韓国のコングック大学、コロンビア大学、ボローニャ大学などを「さまよえる流れ者学者」として放浪し、2004年にはテルアヴィヴ大学や、プリシュティナ大学分校で客員教授を勤めた。ちなみに後者はコソヴォの難民キャンプに隣接する、プレハブ校舎の大学で、断水と停電のなかで日本映画について集中講義を続けた。


最近だと、こんなニュースもあるからなぁ。
「涼宮ハルヒ」のプラカードを掲げてパレスチナ自治区でのデモ行進に参加する少女(2006年 12月 15日)
http://www.afpbb.com/article/1174867
涼宮ハルヒ@パレスチナ

世界各国の比較文化的考察を底流に踏まえ、学生にアンケートなどをして、秋葉原・池袋(乙女ロード)・新宿二丁目をフィールドワークし、ファッション誌(ハイティーン向けから熟年向けまで)を比較検討するなど、多角的に論じられています。

「誠実な学者」としての、分かりやすく整理された研究だと思う。 分かったこと、分からなかったこと、これからの課題などをきちんと提示している。

ここで「誠実な学者」と書くのは、大塚英志との対比しての印象です。
本の最後の方で、大塚の名前は出してはいないが彼を批判している。

…日本では一九七二年に連合赤軍事件で大量の同士を殺害した女性が獄中で描いた、事件再現のイラストが話題になっていた。 犠牲者の女性たちが一昔前の少女漫画のタッチで描かれていたというので、それを手がかりとして現代社会におけるサブカルチャーの重要性を喧伝するという論客が、いささか強引な論陣を張っていた。 私はそれを聞いても、何の衝撃も受けなかった。当事者の女性が少女漫画を描くことに夢中になったとしても、それは純粋に世代の「刷り込み」問題であり、それ以上でも以下でもない。 ふと口をついて出てくるTVドラマの主題歌の旋律以上に、それは文化批評として特別の意味を持ち得ない。 むしろこうした細部だけを強調することは、あのドストエフスキーの『悪霊』を思わせる陰惨な事件の本質をみえなくさせてしまうだけであるような印象を持った。
(p.196)



これは「彼女たち」の連合赤軍―サブカルチャーと戦後民主主義 / 大塚 英志のことです。
「かわいい」を精神の内面に抑圧した永田洋子が、「かわいい」を体現していた同志女性を総括したという、大塚の解釈に疑問を投げかけている。

1986年頃、大塚は「かわいい」をキーワードに少女文化を読み解こうとしていた。
少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」 / 大塚 英志 、たそがれ時に見つけたもの―『りぼん』のふろくとその時代 / 大塚 英志 と合わせて三部作といっていたかなぁ?

興味深いのは、大塚の『「彼女たち」の連合赤軍』を上野千鶴子が非常に高く評価してたこと。 (文庫の後書きを書いていたような記憶が… 別の本だったか?)
その上野のことを、著者はこう書いている。

私の見聞したかぎり、「かわいい」に対して最も深い憎悪をしめしたのは、社会学者の上野千鶴子である。 彼女は老人問題を扱った最近の著作のなかで、「かわいい」とは「女が生存戦略のために、ずっと採用してきた」媚態であると一刀両断し、子供や孫の面倒を見てもらうために「かわいい」老人であることが推奨されている今日の日本社会のあり方に、疑問を呈している。 かわいければ得をする、かわいくなければ女じゃない。 こうした認識はまさしくイデオロギー的なものであって、女性を旧来の依存的存在に押し留めておくための方便であり、またかかる状況にあって女性が生き抜いていくための生存戦略でしかない。 老人と子供が「かわいい」と呼ばれるのは、いずれも責任能力を欠落させた存在であるためであり、厄介者、お荷物扱いされる点では、変わるところがない。 このように立論する上野は、人から「かわいくない女」と呼ばれることを得意げに披露し、老後にあっても「かわいいお婆ちゃん」であることを拒否したいと、堂々と抱負を述べている。
(p.16)


この上野の「かわいい」論てのは、乳の海 / 藤原 新也 の中の松田聖子論とほぼ同一だったりするのも、偶然とは思えないなぁ。
「かわいい」「萌え」に対して、激しい敵意が感じられる人達だ。

西欧のミニチュアールやドルズハウス、鉄道模型の考察もある。 これらから感じられるノスタルジアという感情と、「かわいい」は何処か通底しているようだ。


「かわいい」論 「かわいい」論
四方田 犬彦 (2006/01)
筑摩書房

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ちなみに、この考察のなかで映画「ライフ・イズ・ミラクル」が出てきて、ちょっとびっくり。 前にこのblogで映画評を書いてた。
http://londonbridge.blog.shinobi.jp/Entry/46/

ライフ・イズ・ミラクル ライフ・イズ・ミラクル
スラブコ・スティマチ (2006/04/05)
アミューズソフトエンタテインメント

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