忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

わしが学生だった頃は、生類憐れみの令はものすごい悪法で、庶民は苦しみ、綱吉は犬公方と嫌われていた…と言うことになっていた。

前のエントリーに書いたように、近年はその通説を見直す動きも出ています。
五代将軍綱吉の治世時代は学問が奨励され,湯島の聖堂,昌平黌が整備されてます。 同時代の徳川光圀(水戸黄門)も大日本史編纂事業を始めたりとか、いろいろ古典研究も始まります。
上方中心の元禄文化も花開きます。西鶴、近松、竹本義太夫、芭蕉…
光琳、菱川師宣もこの時代。
紀伊国屋文左衛門などの豪商が活躍したりとか、あと三井・住友もこの頃大きくなってます。

凄い悪政で庶民は苦しみ…という時代ではなく、有る意味一番「江戸時代らしい」イメージ。 まぁ忠臣蔵の舞台となった時代でもあるし。

生類憐れみの令は、以前は「動物をいじめたから罰する」という感じで語られてきた。
最近の研究だと、「”法律を破ったから罰する”というのが徹底された」という解釈になりつつあるようだ。
生類憐みの令が「過酷な悪法」かどうかも、実際に罰せられた人を文献できめ細かく調べていくと、どうも微妙らしい。

綱吉の治世により、戦国時代から続く乱暴な風潮が、法律・文化・学問での徳を重んずる文治政治に変わっていった、というのが最近の江戸見直し論の趣旨だったと思う。

現在の教科書の記述はどうなっているんだろうか? ググってみる。

はみ出し教師の都立高校入門
http://ameblo.jp/n78031416/entry-10005249790.html

「新しい歴史教科書」では、次のように書かれている。

 五代将軍綱吉は、武士たちが殺伐とした行動に出ないように、生類憐れみの令を発して、…。

 「武士たちが殺伐とした行動に出ないように」という、武装解除と秩序の安定を重視した理由付けであり、また、農民ではなく武士に焦点をあてている。
 この視点から理由を書いたものは、六社(教育出版・日本書籍・清水書院・日本文教出版・大阪書籍・東京書籍)の中では教育出版だけであるが、武士よりも農民に焦点をあてている。

…この政策のねらいの一つは、農民が、野獣の害から作物を守るために持つ鉄砲が増えるのを防ぐことにあったとも言われている。


う〜む。まだ少数派みたいだ。

最近の中高生へのインタビューで「生類憐れみの令は動物愛護の先駆けで、良い法律と思う」という回答が増えているというニュースを聞いた記憶がある。
新しい歴史観で話しているわけでもなさそうだ。 
やはり動物愛護精神が強い現代を反映しているのかなぁ…


過激な動物愛護に対して「生類憐れみの令復活かよ」というのは、揶揄じゃなくなるかもしれないなぁ…

【関連】 なのか脱線なのか(^_^;)
坂東眞砂子さんのコラムのこと
http://belena.blog70.fc2.com/blog-entry-150.html

坂東眞砂子さんは「いごっそう」
http://belena.blog70.fc2.com/blog-entry-157.html

生類憐れみの令が復活か
http://belena.blog70.fc2.com/blog-entry-160.html
PR
          
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧
この記事へのトラックバック
トラックバックURL:
Copyright ©  -- 倫敦橋の隠れ里 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by 妙の宴
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]