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月刊プレイボーイ5月号連載 森達也「A3」に早川紀代秀の手紙が載っています。

森氏の要約

 最新の「A3」で話題にしておられる二冊の本のうち、『黄泉の犬』は知人が貸してくれましたので私も読みました。言われてみれば、水俣病やその関連について、もっと早く気づいてもよかったはずなのですが、教団にいるときはもちろん、逮捕されてからも、まったく思いもよらないことでした。
 もちろん本人からそのようなことを聞かされたこともありません。 水俣病のこともそうですが、お兄さんを教祖とすることを考えていた時期もあったと知って、これも驚きでした。
 87年のエアータイトサマディのときも、ご両親は来られましたがお兄さんは来られませんでしたし、お兄さんのことはまったく話題にされたことがありませんでしたから。
 この他、私の個人的なことですが、私の名前が二ヵ所出てくるのですが、そのどちらも不本意なもので、その点は残念に思いました。いずれも著者の責任ではないのですけれどね。
ひとつは50ページの「早川ノート」というところです。 これは「岐部ノート」の誤りです。 警察が誤ってマスコミに流したのが原因のようですが、警察もその後、訂正をしてくれません。
もうひとつは、75ページのお兄さんの話で、「早川という男が教団に入ってきて智津夫の態度が急激に変わった」というところ。 そんなことはありません。 私にはそこまでの影響力はありません。


水俣病の話がとても衝撃的でした。
「やっぱりそんなことがあったんだなあ」と納得する面もあります。……変に思われるかもしれませんが、無性に胸が痛みます。……哀しいですね。
一度、松本氏と弟子十数人と共に、松本氏の実家に行ったことがあるのですが、そのときにみんなの食事用にハマグリが用意されていたんです。 バケツ半分くらいあったように思います。
それを知った彼は、ハマグリだけは料理させずに、そのまま(生きたまま)貰い受け、帰りの道すがらに、近くの海にばら撒きました(実際にばら撒いたのは私たち弟子ですが)。
そのときは、「生殺をさせないためにそうしたのだろう」と思っていました。  しかし(「A3」にも毎日寿司を食べに行っていた船橋時代のエピソードが載っていましたが)寿司を食べに行くと、彼は目の前で生殺させることになる赤貝や帆立貝などの貝類も注文することがありました。
 ……そんなことが、走馬燈のように次々と思い浮かびました。




今回の連載は早川紀代秀本人のことや、「早川ノート」についての考察でした。 
半分以上が他の本からの引用。 (最近の連載は、すっとこんな感じだ)


私にとってオウムとは何だったのか  
作者: 早川紀代秀, 川村邦光
出版社/メーカー: ポプラ社
発売日: 2005/03
メディア: 単行本


オウム帝国の正体 
作者: 一橋文哉
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2000/07
メディア: 単行本


「宝島30」 1995年12月号 1996年1月号
スクープ!早川ノート原文入手!  オウム「11月戦争」の恐怖(前編)
http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/aum2.htm 
早川ノートと理念なき「内乱」◆ オウム「11月戦争」の恐怖(後編)
http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/aum3.htm
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