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序詩
名に恥じぬ古い時代の《聖人》たちは
信じておった(当たるも八卦)、
天空に吉凶禍福読みとりうると、
星の運勢身に受けて人は各自(てんで)に生まれくると。
(夜空にさぐる星占(ほしうら)の神秘の説も、幾度か、
深い心は解し得ぬ浅墓びとには嘲笑(わらわ)れた)
さるほどに神降(かみくだ)し占者(うらない)たちの飯の種
凶(まが)つ土星の気を受けて生まれた者の一生は
不幸苦労のどちらにも事は欠かぬと
何やらの古文書に見えているとか。
病的な《空想力》が働きすぎて
《理性》の努力も無駄とやら
此奴らの血液たるや、毒薬ほど利(きき)がよく
溶岩ほども燃えていて、乏しいままに沸きたち流れ
悲願の《理想》焼き亡ぼすと。
《土星の子ら》は不幸(ふしあわせ)、生きるも死ぬも不幸
(不死の奴なら別格だとさ)
生涯の構図の線をことごとく
悪い《感化》が引くからだとさ。
ヴェルレーヌ処女詩集(Po`emes saturniens)
堀口大學訳
名に恥じぬ古い時代の《聖人》たちは
信じておった(当たるも八卦)、
天空に吉凶禍福読みとりうると、
星の運勢身に受けて人は各自(てんで)に生まれくると。
(夜空にさぐる星占(ほしうら)の神秘の説も、幾度か、
深い心は解し得ぬ浅墓びとには嘲笑(わらわ)れた)
さるほどに神降(かみくだ)し占者(うらない)たちの飯の種
凶(まが)つ土星の気を受けて生まれた者の一生は
不幸苦労のどちらにも事は欠かぬと
何やらの古文書に見えているとか。
病的な《空想力》が働きすぎて
《理性》の努力も無駄とやら
此奴らの血液たるや、毒薬ほど利(きき)がよく
溶岩ほども燃えていて、乏しいままに沸きたち流れ
悲願の《理想》焼き亡ぼすと。
《土星の子ら》は不幸(ふしあわせ)、生きるも死ぬも不幸
(不死の奴なら別格だとさ)
生涯の構図の線をことごとく
悪い《感化》が引くからだとさ。
ヴェルレーヌ処女詩集(Po`emes saturniens)
堀口大學訳
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