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全く人間という奴はこうしたもんです!
どいつもこいつも違えばこそ。
隣の人が不幸に襲われれば、大口あいて喜んでいる。
恐ろしい火の手が上がると、それっと皆駆け出す。
痛ましや、哀れな罪人が仕置場にひかれて行くと言えば、みな見に出る。

今日も今日とて、罪もない避難民の気の毒な様を見に、
みな遊山みたいに出かけるのです。同じ運命が、すぐとは言わないまでも、
いずれは自分の身の上を見舞うことを考える者とてありません。
こうした浮ついた気持ちは勘弁なりませぬが、やはり人間の持ち前ですなあ。




「ヘルマンとドロテーア」第一の歌から 高橋健二訳
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