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けふといふ日


 時計でも
 十二時を打つとき
 おしまひの鐘をよくきくと、
 とても 大きく打つ。
 これがけふのおわかれなのね、
 けふがもう帰って来ないために、
 けふが地球の上にもうなくなり、
 ほかの無くなった日にまぎれ込んで
 なんでもない日になっていく。
 茫々何千年の歳月に連れこまれるのだ、
 けふといふ日、
 そんな日があったか知らと、
 どんなにけふが華やかな日であっても、
 人びとはさう言ってわすれて行く。
 けふの去るのを停めることが出来ない、
 けふ一日だけでも好く生きなければならない。





これらの詩に平野淳一氏が曲を付けた合唱曲が有ります。

『混声合唱とピアノのための「五つのアイロニー」』
 Ⅰ けふといふ日
 Ⅱ わらひといふもの
 Ⅲ 知らずにわかれた人びと
 Ⅳ たまゆらびと
 Ⅴ 昨日いらっしって下さい
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