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奈良の妊婦が死亡 19病院が転送拒否、6時間“放置” 10月17日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610170022.html
大淀病院の横沢一二三事務局長は「脳内出血を子癇発作と間違ったことは担当医が認めている」と話した。搬送が遅れたことについては「人員不足などを抱える今の病院のシステムでは、このような対応はやむを得なかった。補償も視野に遺族と話していきたい」としている。
産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡 10月19日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610190064.html
意識消失の妊婦、1時間以上放置 奈良・町立大淀病院 10月20日15時41分
http://www.asahi.com/national/update/1020/OSK200610200045.html
意識消失後、1時間20分放置 奈良・妊婦死亡 10月20日 (記事内容は上と同じ)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610200036.html
この看護記録を見た日本産科婦人科学会の専門医は「意識を失った患者には医師が付き添い、原因を調べなければならない。けいれんが起きるまで1時間以上放置したのは信じられない行為」と驚く。
Googlキャッシュには、この記事は違う見出しで残っている。
「意識消失」80分放置 奈良・妊婦死亡
朝日新聞 - 2006年10月19日
6時間が1時間以上、1時間20分に変化するのも何だか変だ。
病院事務局員と。匿名の医師と、奈良県の産婦人科学会の判断も割れている。
8月に起きたことなので、充分に取材したのかと思ってたが、この報道の揺れ方には不信感のほうが増すなぁ。
拒否、たらい回し、放置…第一印象では、病院と医師が「絶対悪」に見えるのも気になるところ。
用語が変化するかどうかについても、引き続き注目だな。
ネットを見渡せば「真相」らしきもののコピペが流れている。
医療関係者からの反論が、かなり切実かつ多いと言う印象だ。
たとえば、医師を糾弾したことに対して反論の嵐のblog(敢えて炎上とは書かない)
医療現場は今・・・(18病院が受け入れ拒否)に思う
http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/41158780.html
事務局長が遺族への説明に失敗した、ということのようにも思えるが…
医者と患者・マスコミ・警察との対立が、かなり大きくなっているようにも感じる。
MRICインタビュー「もはや医療崩壊は止まらないかもしれない」で小松秀樹・虎の門病院泌尿器科部長の話でも、医師と患者の対立が語られている。
http://mric.tanaka.md/2006/06/09/vol_17_mric.html#more
本の中では、公的な医療事故調査機関と公平な補償制度、安全を目的とする行政処分制度の整備を提唱しました。ですが実は今、こうした制度が整備されたとしても、医療の崩壊は食い止められないのでないかと考えています。医療従事者が病院から立ち去る原因となっている社会からの過剰な攻撃は、制度整備してもなくならないのでないかと感じているのです。
ハナ・アーレントがナチによるユダヤ人攻撃について考察した「全体主義の起源」という本があります。その中でアーレントは、トックビルの大発見を紹介しています。フランス革命のはじめに突然、堰をきったように、大衆が貴族を攻撃し始めました。革命の時点で貴族は既にその権威を失っており、貴族による抑圧や搾取はまったく存在しなかった、むしろ誰の目にも明らかな権力喪失が民衆の憎悪をかきたてた、というのです。
イギリスで医療従事者が暴力に晒されているのも同じ構造に見えます。これが民主主義の普遍的に内在する攻撃性だとすると、むしろ医療側が努力すればするほど、攻撃を促進させ崩壊を早める危険があると思います。
アメリカでの医療訴訟問題とも考え合わせると、かなり暗い気分になるなぁ
朝日新聞
言葉は身勝手だ
感情的で残酷で時に無力だ
それでも私達は言葉の力を信じている
ジャーナリスト宣言・朝日新聞
奈良新聞の金曜時評 10月20日
http://www.nara-np.co.jp/clm_fri/06/fri061020a.shtml
根本から改めよう 編集委員 水村勤
受け入れ先の病院を18カ所も転院拒否を受け、意識不明となった五條市の妊婦(32)が出産後、意識不明で亡くなった問題は身につまされた。母親のぬくもりを知らずに生まれた赤ちゃんを抱き、遺影のある祭壇を前に悲しみと怒りで声を震わせて語る若い父親(24)をテレビ映像で見たが、慰めとなる言葉が見つからない。父親の胸の中で目のぱっちりとした赤ちゃんが無邪気にかわいい動きを見せる。涙が出てきた。
太字は引用者
奈良新聞は「ジャーナリスト廃業宣言なのか?」と、ちょっと皮肉りたくなる。
「人が死んでんねんで!」を、何となく連想した。
医者しかわからないことを医者が正当化するのは簡単なことだけど、人一人の命に対しての責任がない。。一般人は医者以外に誰を信用したらいいのか。
担当医のみに刑事責任を押し付けるやり方に反発が強いわけで、再発防止の観点から航空機事故のような第三者調査機関があればいいのだろうけれど・・
医者は万能の神様ではないとおもう。