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ファーベルは新しい世界に来たことが嬉しくてたまらず、無邪気にあれもこれも眺めながら、やっと門までたどりつくと、そこには巨大な台座の上に美しいスフィンクスが座っていた。
「おまえは何を探しておいでかね」とスフィンクスが言った。
「わたしの持ち物よ」とファーベルが答えた。
「どこからおいでだね」
「昔の時代からよ」
「おまえはまだ子供だね」
「いつまでも子供のままだわ」
「だれが助けておくれかね」
「わたしはひとりでも平気なの。 あの、おばさまたちはどこにいらっしゃるの」とファーベルが尋ねた。
「どこにもいて、どこにもいないのさ」スフィンクスが答えた。「わたしがだれかお分かりかね」
「いいえ、そのうちにね」
「愛はどこにいるのだね」
「空想の中よ」
「それじゃ、ゾフィーはどこかね……」スフィンクスは何か聞きとれぬことを口ごもりながら、力なく翼をならした。
「ゾフィーと愛はね……」とファーベルは勝ちほこって叫びながら門を駈けぬけていった。
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岩波文庫の新訳になって、読みやすく解説も詳細で分かり易くなった。
でも、旧版の小牧健夫の古風な訳の方が好きだな。
先日、読み返そうと家の中を探したが見つからなかった… orz それで新しいのを買い直した。
「ファーベル スフィンクス」で検索するとゲーム攻略サイトばかりだ。
「青い花」由来のキャラクターなのだろうか?
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賢者ファーベルはおっさんだった orz
その娘ソフィアの方が萌え w
この名前もゾフィーというのに掛けているのだろうか? 謎が多いゲームだ。
新訳だと「おばさまたち」だけど旧訳は「お姉様たち」だったと思う。
語尾の「…だわ」「…よ」が、ちょっと微妙だなぁ。
部分部分のエピソード、炭坑夫の話とか好きです。