忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 
ファーベルは新しい世界に来たことが嬉しくてたまらず、無邪気にあれもこれも眺めながら、やっと門までたどりつくと、そこには巨大な台座の上に美しいスフィンクスが座っていた。
 「おまえは何を探しておいでかね」とスフィンクスが言った。
 「わたしの持ち物よ」とファーベルが答えた。
 「どこからおいでだね」
 「昔の時代からよ」
 「おまえはまだ子供だね」
 「いつまでも子供のままだわ」
 「だれが助けておくれかね」
 「わたしはひとりでも平気なの。 あの、おばさまたちはどこにいらっしゃるの」とファーベルが尋ねた。
 「どこにもいて、どこにもいないのさ」スフィンクスが答えた。「わたしがだれかお分かりかね」
 「いいえ、そのうちにね」
 「愛はどこにいるのだね」
 「空想の中よ」
 「それじゃ、ゾフィーはどこかね……」スフィンクスは何か聞きとれぬことを口ごもりながら、力なく翼をならした。
 「ゾフィーと愛はね……」とファーベルは勝ちほこって叫びながら門を駈けぬけていった。




青い花 青い花
ノヴァーリス (1989/08)
岩波書店

この商品の詳細を見る
青山隆夫訳

岩波文庫の新訳になって、読みやすく解説も詳細で分かり易くなった。
でも、旧版の小牧健夫の古風な訳の方が好きだな。
先日、読み返そうと家の中を探したが見つからなかった… orz  それで新しいのを買い直した。

「ファーベル スフィンクス」で検索するとゲーム攻略サイトばかりだ。
「青い花」由来のキャラクターなのだろうか?
PR
青い花
投稿者:JN HP 2007/01/07 10:53 EDIT
青い花は3回読みました。好きだし、気になるけど、どうも完全には飲み込めない。ゲームに名前があるなんてしりませんでした。
無題
投稿者:倫敦橋 HP 2007/01/08 09:12 EDIT
http
賢者ファーベルはおっさんだった orz
その娘ソフィアの方が萌え w
この名前もゾフィーというのに掛けているのだろうか? 謎が多いゲームだ。

新訳だと「おばさまたち」だけど旧訳は「お姉様たち」だったと思う。
語尾の「…だわ」「…よ」が、ちょっと微妙だなぁ。

部分部分のエピソード、炭坑夫の話とか好きです。
          
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧
この記事へのトラックバック
トラックバックURL:
Copyright ©  -- 倫敦橋の隠れ里 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by 妙の宴
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]