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・出生証明書(Birth Certificate)
アメリカで出産すると、出産に関わった医者が、出生証明書(Birth Cerfiticate)というものを発行し、その地区(郡)の役所に届けます。
この証明書には、母親の名前と父親の名前を書く欄があります。
カリフォルニア州に限っては、母親の名前の欄は、出産した代理母ではなく、依頼した女性の名前になります。
これは、弁護士が前もってカリフォルニア州裁判所判事のその旨の命令書をもらい、担当の産婦人科医にその書類を出産時に渡すのです。
産婦人科医は、判事の命令に従って、出生証明書を書き、郡役所に提出します。
その後、依頼者(ご両親)が郡役所に子供の正式な出生証明書を発行してもらいます。
そして、日本の区役所あるいは市役所に行き、その出生証明書と共に、子供の出生届を出します。
そうすれば、子供を自動的に自分の戸籍に入れることができるのです。
誰にも知られずに自分で産んだように子供を戸籍に載せることが可能なわけです。ですから養子縁組は不要になります。
この点でカリフォルニア州は代理出産に関して法律が確立された州といわれるのです。
代理母ドットコムより
http://www.dairi-haha.com/program.html
「誰にも知られず」というのは、どういうレベルなんだろうか?
日本の役所にも知られずに、ということなのかな?
今回の高裁判決だと、米国の州が発行した出生証明書を日本でもそのまま受理すべきだ、ということになるのだろうが…いいのか?
1962年の日本の最高裁判決においては「母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する」とされている。
これを根拠に、日本の役所では依頼者女性を「実母」とした出生届けを不受理としてきた。 「実母」は出産をした代理母の方。
去年の最高裁判決の報道(読売新聞)
高裁決定は、〈1〉女性は妊娠し、出産することで母性をはぐくむから、子の福祉の観点からも、出産した女性を母とすることに合理性がある〈2〉代理母による出産は第三者に多大な危険を負わせるうえ、依頼者と代理母の間で子を巡る争いが生じかねず、出生届の受理はこうした医療を容認するのに等しい――と指摘した。第1小法廷も高裁判断を「是認できる」とした。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20051125ik04.htm
今回の判決との差は、卵子が誰のモノであったか、なのだろうか?
代理出産を巡っては、米国で双子をもうけた兵庫県内の50歳代の夫妻が出生届を不受理とした自治体の処分取り消しを求めた家事審判で、最高裁が昨年11月、法律上の母子関係を認めず、審判が確定している。しかし、この夫妻の場合、米国人女性から卵子の提供を受けて夫の精子と体外受精させ、その受精卵を別の米国人女性の子宮に移植して出産していた。精子、卵子が夫妻のものである向井さんのケースとは異なっている。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060930k0000e040016000c.html
【参考】
国内初の代理母出産について「週刊ポスト」 2001.6.8号に掲載された記事
『渦中の根津院長が「代理出産女性からの手紙」を公開』
http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/hmother1.html
外国判決の承認の問題だからです。
去年の最高裁判決との違いが、どうもよく解らない。
夫死亡後の凍結精子での出産児認知は法律が無いから認められない、という最高裁判決が有ったばかりだし…。
また「特別養子」という手段が有るのだから、「子の福祉」というのも疑問があるような気が…
去年の最高裁決定は、判例集未登載で「是認できる」としか判断していないので、違いははっきりしないです。おそらく、最高裁決定の原審である高裁の結論だけを「是認できる」としただけでしょう。この高裁の論理は、読売新聞が引用した判示の前の判示部分で、(国際私法上)間違っているので。
>また「特別養子」という手段が有るのだから、「子の福祉」というのも疑問があるような気が…
代理出産依頼夫婦(向井夫婦)を養親として特別養子縁組を認めると、代理出産の禁止が骨抜きになってしまいます。だから、代理出産を禁止する場合には、養子縁組も禁止するのがスジです。代理出産を禁止しているフランスは、代理出産依頼夫婦を養親とする養子縁組も禁止しています。
なので、向井夫婦に対して、「出生届受理を求めるのでなく、特別養子縁組をせよ」というのは、代理出産を禁止したいのかどうか、よく分からない論理だなと思っています。法務省が事なかれ主義として、向井夫婦に対して「養子の手続でして欲しい」というのは、分かりますが。
代理出産は臓器売買同様、社会悪と思っているので、参考になります。
>また「特別養子」という手段が有るのだから、「子の福祉」というのも疑問があるような気が…
今回、ネバダ州が高田夫妻の子としての判決を下した為、養子にするのに余計面倒になった結果、高裁も子供の将来を考え、その事に配慮しての判決のようです。
しかし一見、人道的とはいえ思慮の浅い判決と苦笑でした。
日本で認められない事を海外で実行し、既成事実を盾に「うちの子、無国籍にする男達!出てこいや〜」と恫喝とも思える手法に、鳥肌が立った。
「鳥肌が立った」というお気持ちは、(表現はややどぎついとしても)共感するところあります。
少し飛ぶたとえと思われるかも知れませんが、私はこの問題も、結局はヨーロッパとアメリカの違いと捉えています。フランスもドイツも代理出産は法律で禁止しています。また「死後生殖」も両国では禁止、アメリカは許容。
死刑制度は全ヨーロッパで禁止、先進国で死刑があるのはアメリカの一部の洲と日本のみ、それやこれや、日本は特にここへ来て、アメリカ流思考に染まってきていると感じています。
フランスやドイツ、国連の反対を押し切ってイラク戦争に踏み出したブッシュのアメリカ、そのアメリカに率先して賛成をし、イラクまで自衛隊を出した小泉政権、それを高率で支持する今の日本国民、、、、、
昔の日本人であれば、ヨーロッパ人同様、「代理出産」を望むのは少数派だったと思います。 ま、しかし、これも時代なんでしょう。
日本は日本で生殖医療の考え方は特殊だとおもう。
中絶はアメリカじゃ大統領選の争点でもあり、殺人事件が起こるくらい大問題。
養子よりも実子というこだわりは、日本が強いような気がします。
欧州と米国はいろいろ違いがあるけれど、しかし根底はキリスト教だし…
日本というかアジアは、また別の倫理のように思えます。
どっとかというと…無原則のようにも感じてます・
石女の嫁に代理母制度を強要する姑、という構図もありがちのような気も…
死後凍結精子の認知問題のときは、法で想定されていないと言うことで、裁判所は「私生児」扱いにしました。
今回も代理母制度について養母・実母の問題ではなく、高田のW不倫の子という扱いにするのがスジのように思えるのですが…
ネバダ州の出生届を、日本の国内法で無制限に認めるのは問題有りすぎのように思います。
そして批判する側も擁護する側も「一見、科学的」という感じなので、なんちゅうか ややこしい。
女系天皇制論議で「Y染色体」がどうのこうの話に通じる違和感というか…
重たいテーマへの配慮をせず、書きたいという衝動に負けました。
そういう人、多いと思うんですけど、自分が思い浮かべる外人って、アメリカ人です。
見た目が同じだから利己主義的な自己実現をしそうに見えるイギリス人が、奥ゆかしさがあったりして日本人に近いと思うし、中国人の自己主張の強さを見ていると米国っぽくもあり、距離の問題でなく、日本文化は欧州に近いと思い、きっと米国が変わってるんだと思うようになり、少し愛国心が芽生えました。
他人の迷惑を顧みないで、利己主義的な自己実現を優先させる思考を尊重する風潮は、自尊心の欠如だと思う。
そうですよ。日本民法上、法的に代理出産が禁止されているとは、書いていません。
>今回も代理母制度について養母・実母の問題ではなく、高田のW不倫の子という扱いにするのがスジのように思えるのですが…
あのですね。この問題は、外国判決の承認の問題なのですから、「代理母制度について養母・実母の問題」でもなく、「高田のW不倫の子という扱い」にする問題でもありません。
>ネバダ州の出生届を、日本の国内法で無制限に認めるのは問題有りすぎのように思います。
ネバダ州における代理出産による親子関係の成立については、州裁判所の命令で親子関係が成立するのです。「ネバダ州の出生届」で親子関係が成立するのではありません。「代理母ドットコム」をよくご覧下さい。
繰り返しますが、この事案は、外国判決の承認(民事訴訟法118条)の問題であって、民事訴訟法118条の要件を具備した場合に限り、日本において外国判決の効力が生じます。なので、「日本の国内法で無制限に認める」わけではありません。詳しくは私のブログをご覧下さい。
この事案は、法例、日本民法、日本民事訴訟法、ネバダ州法が関連する国際的な親子関係の成立の問題なのです。こういった法律や関連する判例の理解ができていないと、この事案を正しく理解できません。
……もっとも、この事案について新聞記者がよく分からないせいか、誤解に満ちた報道をしているのが悪いのですけどね。読売新聞が一番誤解しているかな〜(苦笑)。
感想は「すばらし」です。ここまで感情抜きの客観的な意見ありませんでした。
多少疑問な点もありましたが、高田夫妻が日本の制度を考慮せず、何故、ネバダ州に実子であることを認めさせたか。
そこには、エゴがあるのではと勘ぐってしまいます。
ただ、景気回復で出生率が改善した様に、子供を生みたい人は沢山います。つまり、経済的に社会制度的に断念している人が多いと思うのです。保育の環境整備や育児の経済負担の援助の方が費用対効果が高いとも思います。でも、少子化対策と混同する話ではない気もします。規模的にも。
倫敦橋さんには申し訳ないですが、ここでレスさせて頂きます。
>感想は「すばらし」です。
ありがとうございます。この問題については何度も触れていますので、そちらもご覧下さい。
>多少疑問な点もありましたが、
疑問点はぜひ私のブログに書き込んでください。出来る限り答えます。
>高田夫妻が日本の制度を考慮せず、何故、ネバダ州に実子であることを認めさせたか。
そこには、エゴがあるのではと勘ぐってしまいます。
エゴが全くないとはいえないでしょうね。日本で事実上できないから、代理出産ができるネバダ州へ行って、実親子と認めるネバダ州裁判所の命令を得てきたのですから。
ただ、各国で法律が違うのですから、外国法や外国の裁判をすべて日本で否定してやり直したら大変ですし、他方で、日本がそうするなら、仕返しとして外国も日本法や日本の裁判をすべて否定するおそれがあります。なので、日本でできないことであっても、外国法や外国で認めた裁判を尊重して、一定程度認めざるを得ないのです。
高田夫妻は、実親子と認める外国裁判所の命令を得た以上、事は、どこまで他国(の法や裁判)を尊重するかの問題になってしまったのであって、高田夫妻のエゴという個人だけの問題にとどまらないのです。言い換えれば、そう簡単に代理出産による実親子を否定するようでは、ネバダ州裁判所、ひいては米国の威信が傷つくわけです。
>保育の環境整備や育児の経済負担の援助の方が費用対効果が高いとも思います
確かにそうでしょう。でも、血を分けた子どもが欲しいというのは、人として本能的な願いだと思いますから、費用対効果で割り切れるものではないと思います。