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麻原彰晃の誕生 / 高山 文彦

『現代』1996年5〜8月号の連載と、『フォーカス』2001年6〜8月にかけての連載に加筆訂正したものです。
いままで単行本にならなかったのが、ちょっと不思議な気がする。

地道に関係者に取材を重ねており、地元の人や長兄、盲学校時代の担任、薬事法違反で逮捕さたときの担当警部補への取材も有ります。

1996年雑誌に発表されているわけなので、ネットで広く共有されてれる情報のネタもとが、やっと出版されたという印象。

たとえばGoogleキャッシュに残ってた「オウム真理教年表」とか

麻原を宗教者として、いろいろと論じる本は山のようにある。
この新書はそういった本とは一線を画して、あくまでも「松本智津夫の小伝」というスタンスで取材したものです。

著者は1958年生まれ、オウム信者達と世代が近いためか、なんていうか、いわゆる年長の「知識人」やコメンテーターが高所からたいそうな大言を吐くのとは違い、より対象に迫っているように感じた。


松本の兄弟についての取材に関しては、最近ちょっと気になっている。

前のエントリー:最近のオウム研究本の事実関係論争
http://belena.blog70.fc2.com/blog-entry-238.html



藤原新也著『黄泉の犬』  文藝春秋社
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4163685308
この本での麻原の兄へのインタビューの内容について、アマゾンのレビュー氏いわく

たぶん日本中のジャーナリストがインタビューしたかったであろう麻原彰晃の実兄に藤原新也だけが偶然と言う名の必然に導かれて行く経緯と、そこで確かめた麻原の闇が全て一つの底流によって繋がってしまう共時性に身震いしました。


こういうのを読むと、困ったもんだなと思う。 

同じ出版社から、まったく相反する見解の本が同じ年に出て、両方とも宣伝しにくいのだろうか?

田口ランディはさらに『黄泉の犬』での水俣病への視点を絶賛している。

田口ランディ公式ブログ
http://runday.exblog.jp/4953124/

この件については、滝本弁護士が苦言を呈している。

『日常生活を愛する人は?』-某弁護士日記 

2006/11/28 「備忘録 麻原彰晃の誕生」
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/332.html
2006/11/29 「備忘録 黄泉の犬」
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/333.html

藤原さん、よくもまあ、あの程度の材料で書いてしまうものだ、不思議。
著者自身は、重要なことを書いたのに反応がないのはおかしいというように言っておられるようですが、そんな事実関係だから、反応がないのは当たり前でしょう。

軽率極まりない。




藤原氏は松本智津夫の育った八代にいき、その風景を「砂漠」と書く。


 四方どちらを向いても人間の恣意を受け止める自然の抵抗感がなく、自分の勝手な恣意がどこまでも際限なく増殖していく快感と不安を覚える。中心感覚や人間の恣意を制御する禁忌や規範がないという意味において、それは砂漠の自然形態に似ていると終える。いや砂漠以上にそれは希薄だ。つまり泥土の上の、緑の色彩をほどこされた土地というものの幻影に他ならない。

黄泉の犬p34

藤原氏は松本智津夫が「砂漠」を見て育ち、公害を垂れ流すコンビナートを睨んでいたように想像を巡らしている。

高山氏の取材だと、松本家は村で一番最初にTVを購入(1958年)している。
松本智津夫は「エイトマン」「あんみつ姫」を見ていたのではないのか?

「黄泉の犬」は瀬戸内寂聴も絶賛かぁ…
http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php?mode=cal_view&no=20061219

なんだかウンザリする今日この頃



追記
『日常生活を愛する人は?』-某弁護士日記 に「黄泉の犬」についての追加エントリーが2つアップされました。
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/347.html
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/348.html
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