忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 梅酒

死んだ智恵子が造つておいた瓶の梅酒(うめしゆ)
十年の重みにどんより澱(よど)んで光を葆(つつ)み、
いま琥珀(こはく)の杯に凝つて玉のやうだ。
ひとりで早春の夜ふけの寒いとき、
これをあがつてくださいと、
おのれの死後に遺していつた人を思ふ。
おのれのあたまの壊れる不安に脅かされ、
もうぢき駄目になると思ふ悲に
智恵子は身のまはりの始末をした。
七年の狂気は死んで終つた。
(くりや)に見つけたこの梅酒の芳(かを)りある甘さを
わたしはしづかにしづかに味はふ。
狂瀾怒濤(きようらんどとう)の世界の叫も
この一瞬を犯しがたい。
あはれな一個の生命を正視する時、
世界はただこれを遠巻にする。
夜風も絶えた。





某植物園にいってみると、入園者全員に梅の実1㎏プレゼント中だった。
園内の梅の木で実ったモノだそうだ。 せっっかくだから梅酒を造ることにした。
漬け込む壜が無いか? と実家に聞いてみると、「いっぱいあるから取りに来い」と言われる。

実家では、果実酒作りにはまっていたようだ。 
昭和57~60年とラベルに貼ってあるモノが出てきた。 
アロエ・マタタビ・カリンを漬け込んだはいいが、誰も飲まないまま残っていたのだそうだ。
不思議な味がした。 
PR
          
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧
この記事へのトラックバック
トラックバックURL:
Copyright ©  -- 倫敦橋の隠れ里 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by 妙の宴
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]