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法律関係は調べていると頭が痛くなるので、ちょっと後回し。

思うこと少々、とりとめなく書いてみる。

「血縁関係」とか「血が繋がっている」という言い回しは、まだ普通にあると思うけれど、これからは「遺伝子が繋がってる」「DNAを残す」という言い方に変化しちゃうのだろうか。

平成13年5月20日 朝日新聞社説の表現は、なんだか奇妙な印象。
代理母と赤ん坊との遺伝子的繋がりが無くとも「初乳繋がり」は有るのだということだろうか。 そりゃぁ、たしかに医学的根拠も有るのだろうが…

血が繋がっていなくても、母乳で繋がってる。 

微妙に据わりが悪い感じ。 
乳母という存在は昔から有るし、乳兄弟という言葉も有るが、なんか微妙な違和感…


この判決のニュースを聞いた後、NHK大河を見ていた。 ちょうど世継ぎ問題の回。
淀君は、息子が秀吉の種じゃなくても織田家の血筋が残ればいいという感じ。
千代は側室をあてがうのだが… 床入りのシーンに、ちょっとドキドキした。


夫の遺伝子を残したい、高田の遺伝子を残すべきだ、という向井氏は分かり易い。
優れたアスリートの遺伝子情報が子供に引き継がれ、発現する確率は高い。
他に代え難いだろう。 養子ではなく、高田の子供がほしかったのだろう。
そういう向井氏の感情については、非難も揶揄もする気はない。


卵子を取り出すのは大変だ、というのは知識として知ってはいるつもりだが…
いまひとつ実感が湧かない。 
男が射精して精子を出すのとは違う、医療行為で卵子を体外へ取り出すのだ、とは解ってはいるが…
へたに議論で熱くなると、そこあたりの区別が曖昧になりそうな気がする。


しかし、SFっぽい考えをすると、未来は射精とはいかないだろうが、それくらいの気軽さで卵子を体外に出し、人工子宮で育てるような方向に行ってしまいそうにも思える。
人工子宮じゃなくて、母親のクローンに妊娠を代行させた方がいいのかもしれない。

そういう事態になると、受胎告知が男女平等になってしまいそう。
現在は「できちゃった」と告白されて驚くのは男の方。 
女は、まぁいろいろと体の変化等で自己診断もできるが…、医者から「おめでたです」と告知されてる。
女性にも「できちゃった」と医者とか第3者が告知するようになるのだろうか。

というか、既にそうなっているような気もするな。


そういえば、研究用の卵子と精子を受精させることを「試験姦」と呼ぶらしい。
この事件が、それにあたるそうだ。

【論文ねつ造】「研究員が自分の精子で受精卵作った」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/01/14/20060114000018.html
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実際の手続きを調べてみた

 ・出生証明書(Birth Certificate)
  アメリカで出産すると、出産に関わった医者が、出生証明書(Birth Cerfiticate)というものを発行し、その地区(郡)の役所に届けます。
  この証明書には、母親の名前と父親の名前を書く欄があります。
  カリフォルニア州に限っては、母親の名前の欄は、出産した代理母ではなく、依頼した女性の名前になります。
  これは、弁護士が前もってカリフォルニア州裁判所判事のその旨の命令書をもらい、担当の産婦人科医にその書類を出産時に渡すのです。
  産婦人科医は、判事の命令に従って、出生証明書を書き、郡役所に提出します。
  その後、依頼者(ご両親)が郡役所に子供の正式な出生証明書を発行してもらいます。
  そして、日本の区役所あるいは市役所に行き、その出生証明書と共に、子供の出生届を出します。
  そうすれば、子供を自動的に自分の戸籍に入れることができるのです。
  誰にも知られずに自分で産んだように子供を戸籍に載せることが可能なわけです。ですから養子縁組は不要になります。
  この点でカリフォルニア州は代理出産に関して法律が確立された州といわれるのです。

代理母ドットコムより
http://www.dairi-haha.com/program.html


「誰にも知られず」というのは、どういうレベルなんだろうか?
日本の役所にも知られずに、ということなのかな?
今回の高裁判決だと、米国の州が発行した出生証明書を日本でもそのまま受理すべきだ、ということになるのだろうが…いいのか?

1962年の日本の最高裁判決においては「母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する」とされている。
これを根拠に、日本の役所では依頼者女性を「実母」とした出生届けを不受理としてきた。 「実母」は出産をした代理母の方。

去年の最高裁判決の報道(読売新聞)

 高裁決定は、〈1〉女性は妊娠し、出産することで母性をはぐくむから、子の福祉の観点からも、出産した女性を母とすることに合理性がある〈2〉代理母による出産は第三者に多大な危険を負わせるうえ、依頼者と代理母の間で子を巡る争いが生じかねず、出生届の受理はこうした医療を容認するのに等しい――と指摘した。第1小法廷も高裁判断を「是認できる」とした。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20051125ik04.htm


今回の判決との差は、卵子が誰のモノであったか、なのだろうか?

 代理出産を巡っては、米国で双子をもうけた兵庫県内の50歳代の夫妻が出生届を不受理とした自治体の処分取り消しを求めた家事審判で、最高裁が昨年11月、法律上の母子関係を認めず、審判が確定している。しかし、この夫妻の場合、米国人女性から卵子の提供を受けて夫の精子と体外受精させ、その受精卵を別の米国人女性の子宮に移植して出産していた。精子、卵子が夫妻のものである向井さんのケースとは異なっている。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060930k0000e040016000c.html



【参考】
国内初の代理母出産について「週刊ポスト」 2001.6.8号に掲載された記事
『渦中の根津院長が「代理出産女性からの手紙」を公開』
http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/hmother1.html
代理出産:向井さん夫妻の双子、出生届認める 東京高裁
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060930k0000e040016000c.html

毎日新聞は各方面への取材があり、社説でも取り上げている。
そのうち特集でも組むのだろうか?

各紙報道を読み比べてみるが、向井氏の言い分と裁判所の判断の解説が主であり、なぜ出生届が受理されなかったか、向井氏に対して、どういう方針で対応していたかについての解説が不十分だとおもう。

毎日新聞社説:代理出産 普遍的なルールが不可欠だ
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20061001ddm005070119000c.html

なんだか温い社説。 これでも抽象的すぎて解りにくい。

こういうことらしいが…

法的には、高田がアメリカ人の人妻とダブル不倫して双子が産まれた、という解釈。
双子はアメリカ人夫妻の子供。

代理母の夫が嫡出子否認して、のちに、高田が双子を認知する。
そうすると双子は高田の戸籍に入り、当然日本国籍を持つ。

戸籍上は高田は実父、向井は養母となる。実母はあくまでもアメリカの代理母。

養母というのが戸籍に載るのがイヤだったら、特別養子という制度もある。

しかし向井はその方法を断固認めず、裁判になった。



今回は各紙歓迎ムードで煽ってるのが気になる
読売・毎日では向井氏のblogに激励続々という記事がある。

向井さんのブログに激励続々…高裁の出生届受理命令で
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060930i106.htm
代理出産:ブログに喜びつづる…向井さん 激励殺到
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060930k0000e040021000c.html

これは明らかにマッチポンプ。 向井氏のblogのコメント欄は批判意見は一切載せないという方針だし、公認BBSでは賛否両論という感じ。

「アメリカの裁判で認められた」というTVコメントが有ったらしいが、アメリカ国内でも代理母については温度差がある。
正確にネバダ州というべきだとも思う。

(続く)
【参考】
Center for Biomedical Ethics and Law
東京大学大学院医学系研究科 生命・医療倫理人材養成ユニット
http://square.umin.ac.jp/CBEL/index.html
http://square.umin.ac.jp/CBEL/bioethics_data/surrogate_mother.html

代理母シンディインタビュー
http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/dairibo.htm
代理母は社会的地位の低いブリーダー(繁殖)階級
http://www.globe-walkers.com/ohno/article/dairibo.htm
第6回 取材の裏側? 複数対象取材の難しさ−「代理母」リポートの場合(前編)
http://www.globe-walkers.com/ohno/school/column006.htm
第7回 取材の裏側? 複数対象取材の難しさ−「代理母」リポートの場合(後編)
http://www.globe-walkers.com/ohno/school/column007.htm
第10回 取材の裏側?  代理母インタビューの真実
http://www.globe-walkers.com/ohno/school/column010.htm

朝日新聞もかつては代理母には批判的だったはずなのに、いつのまにか態度豹変。
議論が深まったわけでも無いだろうに…

以下 平成13年5月20日 朝日新聞社説
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