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スタンリー:(乱暴に引き出しを開け、靴を投げる)新しい靴下はどこだ?

ステラ:(いちいちそれらを片づけている)はいはい。

ブランチ:あなたは何座なの?

スタンリー:なんだって?

ブランチ:星座よ。きっと牡牛座でしょ。牡牛座の人は気性が荒くて、落ち着きがないんですって。ドシン。バタン。ガガガガ。ドカーン!

スタンリー:おい。ストライプのはどうした?

ステラ:これでしょ?(と持ってきて)この人はキリストの五分後に生まれたのよ。

ブランチ:じゃあ山羊座?

スタンリー:自分は何なんだよ。

ブランチ:私はもうすぐが誕生日なの。さて何座でしょう?

ステラ:ブランチは九月生まれの乙女座。(と、キッチンへ去る)

スタンリー:乙女座! 

ブランチ:そう。マリア様と一緒。

スタンリー:マリア様と一緒? ハッハッハ! そいつはたまげた。

テネシー・ウィリアムズ 「欲望という名の電車」 シーン5より  堀内仁訳

wikiより
主人公は名家出身の女性ブランチ。ブランチは没落し、故郷を追われて妹のステラの下に身を寄せる。しかし、ステラの夫で粗野な工場労働者スタンリーの暴言・罵倒によって傷つけられ、挙句に隠していた過去を晒され(略


スタンリーについては粗野とか暴力的とか、劇中ではネアンデルタール人とか豚とか無教養、ポーラックなどとさんざんな言われ様だけど、そりゃあんまりではないか。
彼こそ普通の「アメリカ人」だろう。 そうじゃなければ、この役を演じたマーロン・ブランドが、これほどまでに伝説的に語られているのか、わからん。

星占い好きに対する苛立ちは、よく分かる。 
彼が暴言や罵倒を繰り返しているとも思えない。 ブランチが隠していた過去を晒すという行為だって、なぜ非難の対象になるのか分からない。 ブランチの不規則発言、行動に対抗するための有効な手段だろう。

ブランチに対して以外と同情的な人気があるというのが、よく分からない。 役柄ではなく、ビビアン・リー人気(実生活の醜聞を含む)と重なっているんじゃないかと疑っているが…
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