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  第53番

おお、セントラルパークで
居眠りしている酔いどれも
昼なお暗いジャングルで
ライオン狩りするハンターも
それから、支那の歯医者さん
イギリスの女王様--
みんなそろって
おんなじ機械のなか
ナイス、ナイス、ヴェリ・ナイス
ナイス、ナイス、ヴェリ・ナイス
ナイス、ナイス、ヴェリ・ナイス--
こんなに違う人たちが
みんなおんなじ仕掛けのなか




「猫のゆりかご」CAT'S CRADLE(カート・ヴォネガット・ジュニア Kurt Vonnegut,Jr 伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫)

この人の本は読んでいないなぁ。
映画になった「スローターハウス5」を見た程度。

矢作俊彦「ららら科學の子」に、物語の鍵として登場しているらしいが…

ららら科學の子

ららら科學の子





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  夢遊病者のロマンセ


緑色わたしの好きな緑色。
緑の風、緑の枝よ。
海の上には船。
山の中には馬。
腰には影をおき、
娘には欄干で夢を見る。
緑の肉体、緑の髪、
冷たい銀色の眼、
緑色わたしの好きな緑色、
ジプシーの月の下で
物みな娘を見つめているが、
娘にはそれらを見ることができない。

   *

緑色わたしの好きな緑色。
大きな霜の星々は
影の魚をつれて来るが、
魚は夜明けの道を開く。
いちじくの木は
枝のやすりで風をこすり、
泥棒猫の山は、
とがった刺をさかだてる。
しかし、誰が来るのだろう? そして何処から……?
娘はなおも欄干で、
緑の肉体、緑の髪
苦い海の夢を見る。



Federico Garcia Lorca  2 de agosto de 1924
会田由訳





ROMANCE SONAMBULO



Verde que te quiero verde.
Verde viento. Verdes ramas.
El barco sobre la mar
y el caballo en la montana.
Con la sombra en la cintura
ella suena en su baranda,
verde carne, pelo verde,
con ojos de fria plata.
Verde que te quiero verde.
Bajo la luna gitana,
las cosas le estan mirando
y ella no puede mirarlas.

*

Verde que te quiero verde.
Grandes estrellas de escarcha,
vienen con el pez de sombra
que abre el camino del alba.
La higuera frota su viento
con la lija de sus ramas,
y el monte, gato garduno,
eriza sus pitas agrias.
?Pero quien vendra? ?Y por donde...?
Ella sigue en su baranda,
verde carne, pelo verde,
sonando en la mar amarga.

*

Compadre, quiero cambiar
mi caballo por su casa,
mi montura por su espejo,
mi cuchillo por su manta.
Compadre, vengo sangrando,
desde los montes de Cabra.
Si yo pudiera, mocito,
ese trato se cerraba.
Pero yo ya no soy yo,
ni mi casa es ya mi casa.
Compadre, quiero morir
decentemente en mi cama.
De acero, si puede ser,
con las sabanas de holanda.
?No ves la herida que tengo
desde el pecho a la garganta?
Trescientas rosas morenas
lleva tu pechera blanca.
Tu sangre rezuma y huele
alrededor de tu faja.
Pero yo ya no soy yo,
ni mi casa es ya mi casa.
Dejadme subir al menos
hasta las altas barandas,
dejadme subir, dejadme,
hasta las verdes barandas.
Barandales de la luna
por donde retumba el agua.

*

Ya suben los dos compadres
hacia las altas barandas.
Dejando un rastro de sangre.
Dejando un rastro de lagrimas.
Temblaban en los tejados
farolillos de hojalata.
Mil panderos de cristal,
herian la madrugada.

*

Verde que te quiero verde,
verde viento, verdes ramas.
Los dos compadres subieron.
El largo viento, dejaba
en la boca un raro gusto
de hiel, de menta y de albahaca.
!Compadre! ?Donde esta, dime?
?Donde esta mi nina amarga?
!Cuantas veces te espero!
!Cuantas veces te esperara,
cara fresca, negro pelo,
en esta verde baranda!

*

Sobre el rostro del aljibe
se mecia la gitana.
Verde carne, pelo verde,
con ojos de fria plata.
Un carambano de luna
la sostiene sobre el agua.
La noche su puso intima
como una pequena plaza.
Guardias civiles borrachos,
en la puerta golpeaban.
Verde que te quiero verde.
Verde viento. Verdes ramas.
El barco sobre la mar.
Y el caballo en la montana.



NHKで放映されたアントニオ・ガデス舞踊団 「カルメン」を見て、思わずコピペ。 劇中で使われていたのはこの詩のはず。(スペイン語は分からん)
カーテンコールも気を抜けない舞台だった。
「君は何かアルバイトしてる?」
「うん、地図の解説を書いてるの。ほら、地図を買うと小冊子みたいのがついてるでしょ? 町の解説とか、人口とか、名所についていろいろ書いてあるやつ。ここにこういうハイキング・コースがあって、こういう伝説があって、こういう花が咲いて、こういう鳥がいてとかね。あの原稿を書く仕事なのよ。あんなの本当に簡単なの。アッという間よ。日比谷図書館に行って一日がかりで本を調べたら一冊書けちゃうもの。ちょっとしたコツをのみこんだら仕事なんかいくらでもくるし」
「コツって、どんなコツ?」
「つまりね、他の人が書かないようなことをちょっと盛り込んでおけばいいのよ。すると地図会社の担当の人は『あの子は文章が書ける』って思ってくれるわけ。すごく感心してくれたりしてね。仕事をまわしてくれるのよ。べつにたいしたことじゃなくていいのよ。ちょっとしたことでいいの。たとえばね、ダムを造るために村がひとつここで沈んだが、渡り鳥たちは今でもその村のことを覚えていて、季節がくると鳥たちがその湖の上をいつまでも飛びまわっている光景が見られる、とかね。そういうエピソードをひとつ入れておくとね、みんなすごく喜ぶのよ。ほら情景的で情緒的でしょ。普通のアルバイトの子ってそういう工夫をしないのよ、あまり。だから私もけっこういいお金とってるのよ、その原稿書きで」
「でもよくそういうエピソードがみつかるもんだね、うまく」
「そうねえ」と言って緑は少し首をひねった。「見つけようと思えばなんとか見つかるものだし、見つからなきゃ害のない程度に作っちゃえばいいのよ」
「なるほど」と僕は感心して言った。
「ピース」と緑は言った。




“你在打什么工呀?”

  “写地图的解说。你知道的,买地图的时候不是会附上一本小册子吗?上头有街道名称啦、人口啦、风景区什么的,还印了很多别的,比如说这儿有徒步旅行路线啦、有这种传说啦、开这种花啦、有这种鸟之类的。我就是负责写这些东西,这真的很简单,一下子就好了。只要到日比谷图书馆花上一天的时间查资料,便足够写一本了。你只要抓住一点诀窍,做起来就不难。”

  “什么样的诀窍?”

  “也就是说,你只要添加一些别人没写过的东西就可以了。这么一来,地图公司的人便会觉得你会写文章。他们会对你非常佩服,把工作全交给你!你不必做得太好,一点点就行了,比如说,为了建水坝,这儿曾淹没了一个村镇,但候鸟仍记得这个村镇,只要季节一到,人们便看得到一群鸟在湖上徘徊不去的情景。你这么加油添醋的话,他们都会很喜欢的,你看嘛!这不是又有气氛又有雅趣吗?一般打工的人不会这么做的。我写那些稿子还赚了不少钱咧!”

  “可是这种资料好找吗?”

  “嗯……”阿绿微微倾着头。“只要想找就找得到。真找不到的话就酌情创作一下嘛!”

  “原来如此。”我佩服之至。



>「ピース」と緑は言った。
は、どうやら訳しきれなかった模様。 コピペしたサイトでは省かれてた。

村上春樹が、どうして人気があるのか、日本国内だけではなく世界中に翻訳され人気なのか、ちょっと謎だ。

オサレな会話がいいのかなぁ。 
「なるほど」が“原来如此”、「やれやれ」が“唉”
思ってるのより口で言ったことのほうが悪いかもしれないわね。だってあたしの考えでは、あなたはそれほど死にたいんじゃなくて、それより、そうまわりの人たちに思いこませて、家の中で大将になって、悲しんでいるお母さんを苦しめたいのよ。あなたが命を縮めたがっていると単純に思いこんでいるランドリを苦しめたいのよ。あたしはだまされませんよ、シルヴァン。あたしはね、あなたのことをほかの人たちと同じに、いやほかの人たちよりずっと死ぬのをこわがっていると思うし、あなたをかわいがっている人たちをこわがらせて喜んでいるんだとおもっているのよ。死ぬつもりだっておどかすと、いちばんもっともな、一番必要なものごとがひっくりかえってしまうのを見て、喜んでるのよ。まったく、ひとこと言いさえすれば、まわりのことがなんでも自分の思いどおりになるのは、とても便利だし、気持ちがいいわね。そんなふうにして、あなたはここではみんなを支配しているのよ。だけど、それは自然に反しているんだし、神様のお許しにならないやり方でそうしているんだから、神さまがお罰しになって、我を張らずにおとなしくしていたらなるはずがないほど、あなたを不幸になさっているのよ。それだからあなたは楽しく暮らせるように生まれていながら、ゆううつにくらしているんだわ。どうすればあなたが気だてのいい、おとなしい人になれたが、言ってあげましょうか、シルヴァン。両親がうんとつらく当たればよかったのよ。ひどく貧しくて、毎日のパンにもこと欠いて、そのかわりぶたれることは多いってふうにね。もしあなたがあたしやあたしの弟みたいに育てられたら、恩知らずになるどころがわずかなことにも感謝するようになったでしょうね。




「愛の妖精」
ジョルジュ・サンド作/篠沢秀夫訳
http://www.gutenberg21.co.jp/fairy.htm

「デジタル書店 グーテンベルグ21」で冒頭部分が立ち読みできるけれど、冒頭だと退屈な「田園小説」としか思えないだろうな。
ツンデレというかツンツンというか、恋をしてきれいになる女の子のお話でもあるんだけどなぁ。

ほんとは、ヒロインの少女ファディットが自分のことを語る部分の方がもっと面白いのだけれど、なんとなく、こっちの方を引用。
  樹下の二人

――みちのくの安達が原の二本松松の根かたに人立てる見ゆ――

あれが阿多多羅山(あたたらやま)
あの光るのが阿武隈川。

かうやつて言葉すくなに坐つてゐると、
うつとりねむるやうな頭の中に、
ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
この大きな冬のはじめの野山の中に、
あなたと二人静かに燃えて手を組んでゐるよろこびを、
下を見てゐるあの白い雲にかくすのは止しませう。

あなたは不思議な仙丹(せんたん)を魂の壺にくゆらせて、
ああ、何といふ幽妙な愛の海ぞこに人を誘ふことか、
ふたり一緒に歩いた十年の季節の展望は、
ただあなたの中に女人の無限を見せるばかり。
無限の境に烟るものこそ、
こんなにも情意に悩む私を清めてくれ、
こんなにも苦渋を身に負ふ私に爽かな若さの泉を注いでくれる、
むしろ魔もののやうに捉(とら)へがたい
妙に変幻するものですね。

あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。

ここはあなたの生れたふるさと、
あの小さな白壁の点点があなたのうちの酒庫(さかぐら)
それでは足をのびのびと投げ出して、
このがらんと晴れ渡つた北国(きたぐに)の木の香に満ちた空気を吸はう。
あなたそのもののやうなこのひいやりと快い、
すんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗はう。
私は又あした遠く去る、
あの無頼の都、混沌たる愛憎の渦の中へ、
私の恐れる、しかも執着深いあの人間喜劇のただ中へ。
ここはあなたの生れたふるさと、
この不思議な別箇の肉身を生んだ天地。
まだ松風が吹いてゐます、
もう一度この冬のはじめの物寂しいパノラマの地理を教へて下さい。

あれが阿多多羅山、
あの光るのが阿武隈川。




  あどけない話

智恵子は東京に空がないと言ふ、
ほんとの空が見たいと言ふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。




NTTドコモのCM「智恵子のふるさと」篇に高村光太郎「智恵子抄」から「樹下の二人」の一節が使われていた。
http://www.docomo-tohoku.co.jp/pc/corporate/ad/index.html

そういえば今年は高村光太郎没後50年。 つまり著作権が切れる年だった。
早速青空文庫に掲載されている。 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1168.html#sakuhin_list_1

私はこの「あどけない話」をしばらく、おじいさんと孫の会話だと誤解していた。 実は夫婦の危機が表されている詩だと知ったのは、もう少し後のこと。

「あどけない話」を最初に読んだのは1970年代初め。 当時は、光化学スモッグなど公害が社会問題していた頃。 「都会にきれいな空を取り戻そう」などというキャンペーンに使われていたような印象があった。
こんどは携帯のCMに使われるのかぁ、という感慨があるな。
智恵子抄というのは、男女二人のすれ違いの記録だと思うのだがなぁ。


ところで、NTTドコモのCMに出演しているのは宮崎あおい。 
nikon FM3a Ai Nikkor 45mm F2.8 を手作りストラップで愛用しているというのが、一部で有名だった。
今年からオリンパスのデジタル一眼レフのイメージキャラクターになるそうだ。
http://olympus-wonder.com/

オリンパスは青の発色が評判のようなので、タイアップしちゃうかもなぁ。
「ほんとの空を探して」というのでは、あまりにベタすぎるだろうけれども。
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